古物商許可を取得する法人の役員が満たすべき要件・必要書類

法人が古物商許可を取得する場合、法人自体が満たすべき要件や用意すべき必要書類があります。たとえば、法人の事業目的に「古物を取り扱う」旨の記載や、「履歴事項全部証明書」「原本証明を行った定款」を用意する必要がある等です。

また上記法人自体の要件・必要書類の他、役員自身にも満たすべき要件・用意すべき必要書類があり、複雑で迷ってしまう方も多いです。

そんな古物商許可を取得する法人の役員が満たすべき要件・必要書類については、本記事を読んでいただければ簡単に理解できます。

本記事は、『古物商許可を取得する法人の役員が満たすべき要件・必要書類』について詳しくご紹介します。

“役員”とは

「株式会社」や「合同会社」といった法人の形態によって“役員”の定義は違います。主な法人形態における役員の定義は以下のとおりです。

株式会社の役員

株式会社の役員は以下のとおりです。

  • 取締役
  • 会計参与
  • 監査役

合同会社の役員

合同会社の役員は以下のとおりです。

  • 代表社員
  • 業務執行社員

有限会社の役員

有限会社の役員は以下のとおりです。

  • 取締役

満たすべき要件

古物商許可を取得する法人の役員が満たすべき要件は“欠格事由”に該当しないことです。欠格事由とは、古物営業法で定められた「古物商許可の取得ができない要件」のことです。

古物営業法上、法人の役員に関する欠格事由は以下の9項目になります。

  1. 破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者
  2. (罪種を問わず)禁固刑や懲役刑に処せられ、又は無許可古物営業や名義貸しのほか窃盗、背任、遺失物横領、盗品譲受け等で罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けなくなってから5年を経過しない者
  3. 暴力団員
  4. 暴力団員でなくなってから5年を経過しない者
  5. 暴力団以外の犯罪組織の構成員で、強いぐ犯性が認められる者
  6. 暴力団対策法第12条、第12条の4第2項及び第12条の6の命令又は指示を受けた者であって、受けてから3年を経過しない者
  7. 住居の定まらない者
  8. 古物営業法第24条の規定により古物営業の許可を取り消されてから5年を経過しない者
  9. 精神機能の障害により古物営業を適正に営めない者

本記事では上記欠格事由の詳細を割愛しますが、重要な要件になるため以下の記事も併せて参考にしてください。

役員全員が欠格事由に該当しないことが必要

古物営業法は役員全員が上記欠格事由に該当しないことを求めています。つまり、役員の1人でも欠格事由に該当する場合、当該法人は古物商許可を取得できないことになります。

たとえば、役員A、役員B、役員Cがいる法人で役員A、役員Bは欠格事由に該当しないが、役員Cが欠格事由に該当する場合、当該法人名義で古物商許可を取得することはできないことです。

役員が欠格事由に該当する場合

前述の通り、法人内の役員が1人でも欠格事由に該当する場合、当該法人名義で古物商許可を取得することはできないことになります。しかし事業の都合上、どうしても古物商許可を取得する必要がある場合も当然考えられます。

このような場合、「欠格事由に該当する役員を退任された上で、古物商許可を取得する」という方法があります。

古物営業法は、役員全員が欠格事由に該当しないことを求めているのであって、役員以外の欠格事由の有無は求めていません。つまり、欠格事由に該当する役員が役員でなくなれば、法人名義で古物商許可の取得が可能ということです。

管理者(店舗責任者)は、欠格事由に該当しないことが求めれています。

役員を退任させることは大きな経営判断を含んでいるため簡単に決断することは難しいですが、やむを得ない最終的な方法として覚えておくと良いでしょう。

必要書類

法人役員が用意すべき必要書類は以下二種類です。

  1. 住民票(本籍の記載があるもの)
  2. 身分証明書

上記用意すべき必要書類は各書類ごとに注意すべきポイントがあるため、以下詳しくご紹介します。

本記事では、法人役員が用意すべき“公的書類”についてご紹介しています。

本記事でご紹介する必要書類以外にも、「欠格事由に該当しない旨の誓約書」及び「直近5年間を記載した略歴書」が必要です。

住民票(本籍の記載があるもの)

取得場所

取得対象者の住所登録の市区町村役場で取得します。

取得費用

市区町村役場によって変動がありますが、おおむね「300~400円」になります。

本籍地の記載が必要【重要】

古物商許可申請に必要となる住民票は、本籍地の記載が必要です。

本籍地の記載は、住民票取得時に「本籍地の記載が必要である」旨を申し出る必要があるため注意しましょう。

有効期限に注意

住民票の有効期限は「取得から3ヶ月以内」です。

住民票の取得を早めに着手することは良いことですが、あまりにも早く取得しすぎると、再取得になる可能性があるため注意が必要です。

世帯一部の記載でOK

住民票の取得方法は、「世帯全部の記載」または「世帯一部の記載」の二つがあります。

世帯全部の記載は「家族全員の記載」があるもの。

世帯一部の記載は「家族の一部の記載」があるものです。

役員が必要となる住民票は、当該役員だけが記載されている住民票になります。「世帯一部の記載」で取得しましょう。

個人番号の記載は不要

住民票への個人番号(マイナンバー)の記載は必要ありません。

むしろ個人番号(マイナンバー)の記載があると、住民票の再取得が必要になるため注意してください。

役員が海外に在住している場合

役員が日本国内に居住していない場合(役員が日本国籍・外国籍に限らず)、当該役員に関する住民票を取得することはできません。住民票は日本国内に居住している者に対して発行される行政文書だからです。

そのため、当該役員については代替手段で居住場所を疎明する必要があります。代表的な例は、当該役員が居住する国で発行される“住民票”で居住を疎明する方法です。

国によって住民票の名称は違いますが、分かりやすいように“住民票”と表記しています。

たとえば、オランダに居住している役員は、オランダ国(厳密にはオランダ国で居住している市)が発行する住民票を提出する必要があるということです。

住民票が存在しない国もあります。この場合、日本国大使館が発行する「在留証明」で対応できる場合もあるため、役員が海外に在住している際は事前に行政へ確認するようにしましょう。

身分証明書

身分証明書とは、破産者名簿に記載がないこと、後見の登記の通知を受けていないことを証明する書類になります。

身分証明書というと一般的に「運転免許・健康保険証」等を想像しますが、このような身分証明書ではありませんので注意しましょう。

取得場所

取得対象者の本籍地の市区町村役場で取得します。

取得対象者の本籍地が不明な場合、本籍地入りの住民票を取得することで確認することが可能です。

前述のとおり、「本籍地入りの住民票」は法人役員が用意すべき必要書類となるため、本籍地が不明な方は、本籍地入りの住民票を先に取得するようにしましょう。

取得費用

市区町村役場によって変動がありますが、おおむね「300~400円」になります。

有効期限に注意

身分証明書の有効期限は住民票と同じく「取得から3ヶ月以内」です。

有効期限が切れた場合、再取得になる可能性があるため注意が必要です。

破産者名簿に記載がないこと、後見の登記の通知を受けていないことの両方の証明が必要

一般的には身分証明書一通で「破産者名簿に記載がないこと、後見の登記の通知を受けていないこと」の両方を証明することが可能です。

ただし一部の市区町村役場では、「身分証明書一通で一項目の証明」としている場合があります。“身分証明書一通で一項目の証明”とは、身分証明書一通につき「破産者名簿に記載が無いこと」を証明し、身分証明書一通につき「貢献登記の通知を受けていないこと」を証明するということです。

この場合、「破産者名簿に記載がないこと、後見の登記の通知を受けていないこと」の両方を証明するためには、身分証明書二通を取得する必要があります。

身分証明書を取得する際は、身分証明書一通で「破産者名簿に記載がないこと、後見の登記の通知を受けていないこと」の両方を証明することが可能なのか、身分証明書二通を取得する必要があるのかを事前に本籍地の市区町村役場に確認するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?

本記事は、『古物商許可を取得する法人の役員が満たすべき要件・必要書類』について詳しくご紹介しました。

本記事を読んでいただければ、法人申請時に役員が満たすべき要件・用意すべき必要書類で悩むことはありません。

法人名義で古物商許可の取得をご検討の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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