古物営業法では、「破産者で復権を得ないもの」は古物商の許可を取得できないと規定しています。したがって、破産経験のある方は古物商の許可を取得できるのか、できないのか迷ってしまいますよね。
そんな破産経験者の古物商の許可取得に関する疑問は、本記事で簡単に理解できます。
本記事は、『破産者は古物商の許可を取得できる?【古物商の欠格事由】』を詳しくご紹介します。
破産者の方でも古物商の許可は取得可能。しかし一定の条件を満たす必要がある
結論から申し上げると、破産者の方でも古物商の許可は取得できます。しかし、無条件で取得できるということではなく、一定の条件を満たす必要があります。
この“一定の条件”とは、「破産者が復権を得ている必要がある」ということです。
復権を得るとは?
“復権を得る”とは、裁判所に破産手続きを申し立て、「免責許可決定」が裁判所から出された状態です。簡単にいうと、「裁判所から借金の支払い義務を免除してもらった」とイメージしてください。
古物商の許可を取得できない方の条件は、「破産者で復権を得ないもの」です。したがって、破産の経験がある方でも、裁判所から免責許可決定が出されていれば古物商の許可は取得できることになります。
一方、裁判所に破産手続きを申し立てていても、「免責許可決定」が裁判所から出ていない方は、復権をまだ得ていませんので、古物商の許可を取得できません。注意してください。
なお、破産手続きの方法は「同時廃止」および「少額管財」の二つの方法があります。破産時の財産状態によって破産手続きの方法は変わりますので、詳しくは弁護士または司法書士に相談した方が良いでしょう。
復権を得ていることを確認する方法
自分が復権を得ていることを確認する方法は、本籍地の市区町村役場で「身分証明書(市町村の長の証明書)」を取得することで確認できます。
この身分証明書とは、免許証や健康保険証のことではなく、本籍地の市区町村役場で発行される書類のことですので、注意してください。
復権している場合、身分証明書に「破産者であること」は記載され、復権してない場合、身分証明書に「破産手続開始決定の通知に接した」と記載されています。
なお、身分証明書は古物商の許可申請時の必要書類に含まれますので、自分が復権を得ているか不安な方は、最初に身分証明書を取得することをおススメします。
古物商の許可を法人で取得する際の注意点
古物商許可を法人で取得する際は、役員、監査役および営業所の管理者のすべてが欠格事由に該当しないことが必要です。
- 管理者とは
- 欠格事由とは
万が一、役員、監査役および営業所の管理者の中に破産者(復権を得ていない場合)がいる場合、法人として古物商の許可を取得することができないからです。
このような場合、破産者に該当する方を役員、監査役および営業所の管理者から外すことで対応が可能ですが、費用も時間も掛かるため、事前の確認が非常に重要と覚えておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
本記事は、『破産者は古物商の許可を取得できる?【古物商の欠格事由】』を詳しくご紹介しました。
これで破産者の方が古物商の許可を取得できる方法で悩むことはありません。
過去に破産経験のある方でも古物許可を取得したい方は、ぜひ参考にしてみてください。