中古パソコンの販売といっても、「自分が所有していたパソコンを販売する」または「中古のパソコンを仕入れて販売する」どちらのケースでも古物商許可が必要なのか迷ってしまいますよね。
また、「一からパソコンを組み立てて販売する場合」は、古物商許可が必要になるのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そんな、中古パソコンの販売と一からパソコンを組み立てて販売する場合に関する疑問は、本記事を読んでいただければ簡単に解決できます。
本記事は、『中古パソコンの販売に古物商は必要?組み立てて販売する場合の注意点とは』について詳しくご紹介します。
目次
中古パソコン販売で古物商が必要になるケース
古物商を規制している古物営業法という法律では、「古物商」とは都道府県ごとの公安委員会から許可を受けて下記営業を営む者と定義しています。
古物営業法:第2条2項(1)
古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であって、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手から買い受けることのみを行うもの以外のもの
つまり、古物商許可が必要になるケースというのは、古物の取引を「業として」行っている場合に限られるということです。
業としておこなっている場合というのは、“利益をだす目的”といい換えることができます。
利益をだすためには、買取だけでなく販売もおこなう必要があります。つまり「買取」と「販売」がセットになっていて始めて、古物商許可の取得が必要になるということです。
古物商許可が必要なケース
古物商許可が必要なケースは、下記のとおりです。
具体的には、古本屋、古着屋、中古車ディーラー、中古のCDショップ、リサイクルショップ等のことだと考えていただくのがイメージしやすいのではないでしょうか。
- 古物を買い取って売る
- 古物を買い取って修理等して売る
- 古物を買い取って使える部品等を売る
- 古物を買い取らないで、売った後に手数料を貰う(委託売買)
- 古物を別の物と交換する
- 古物を買い取ってレンタルする
- 上記のことをネット上で行う
古物商許可が不要なケース
古物商許可が不要なケースは、下記のとおりです。
- 自分の物を売る
- 自分の物をオークションサイトに出品する
- 無償で貰ったものを売る
- 相手から手数料を取って回収した物を売る
- 自分が販売した相手から、販売した物を買い戻す
- 自分が海外から買ってきたものを売る
一からパソコンを組み立てて販売する場合は古物商許可は不要
前記のとおり、古物営業法は古物商許可が必要な営業として、「古物を買い取って売る」「古物を買い取って使える部品等を売る」「古物を別のものと交換する」等に場合に限定しています。
したがって、一からパソコンを組み立てて販売す場合は、上記内容が適用されないため、古物商許可を取得する必要はありません。
中古の部品を使用して組み立てる際は注意が必要
上記のとおり、一からパソコンを組み立てて販売しても、古物商許可は必要ありません。
しかし、中古の部品を使用して組み立てる際は注意が必要です。一部でも中古の部品を使用すれば、その物は新品ではなく“古物”に該当するからです。
古物を仕入れて販売するには古物商許可が必要になるため、一部でも中古の部品を使用して組み立てる際は古物商許可の取得が必要になります。
「ヤフオク」や「メルカリ」で、“新品”の部品を仕入れる場合も注意が必要
なお、「ヤフオク」や「メルカリ」で“新品”を仕入れる場合も注意が必要です。
古物営業法は、“古物”の意味を下記3つに分類しているからです。
- 一度使用された物品
- 使用されない物品で、使用のために取引されたもの
- これらの物品(1または2)に幾分の手入れをしたもの
注意すべきは上記2になります。
使用されない物品で、使用のために取引されたものとは、一度消費者の手に渡った新品を使用しないでそのまま売却するような場合の物品をいいます。
したがって、新品であっても、このような意味で使用のために取引されれば古物として扱われることになるため、古物商許可の取得が必要になります。
まとめ
いかがでしたか?
本記事では、「中古パソコンの販売と一からパソコンを組み立てて販売する場合の注意点」について詳しくご紹介しました。これで、中古パソコンの販売や一からパソコンを組み立てて販売する際は、古物商許可のことで悩むことはありません。
中古パソコンの販売や一からパソコンを組み立てて販売する営業を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
お尋ねします。
現在古物商取得を考えているのですが、古物商取得後個人からの買受ではなく業者間取引での仕入れを考えています。業者間取引であっても古物台帳を記入する必要があるのでしょうか?ご教示お願いいたします。
小沢様、
ご相談いただきまして誠にありがとうございます。
行政書士の永井と申します。
古物営業法では、以下の取引を行う場合、古物商に古物台帳への記載の義務を課しています。
1.古物の売買
2.古物の交換
3.古物の売買又は交換の委託
ただし、古物営業法が規定している「古物を買うという行為」は、一般客が古物商に売りに来た古物を“買った”場合を想定していると考えられるため、
ご質問の「業者間取引での仕入れ」は必ずしも上記に該当するとは限らないと考えますが、
本件の判断は明確ではありませんので、どのような買取りであっても古物台帳へ記載をした方が間違いはないと考えます。
質問なのですが、古物商許可が必要なケースと不要なケースどちらにも「古物を買い取ってレンタルする」があるのですが正しくはどちらでしょうか?
健介様、
行政書士の永井と申します。
ご指摘いただき、ありがとうございました。
ご指摘いただいた内容については、「古物商許可が必要になる」が正しい内容になります。
記事の部分についても訂正させていただきましたので、ご確認いただければ幸いです。